韓国から…
先日、韓国の方からメールをいただきました。
2008年に日本の美術大学へ工芸の研究で留学していた時、
「ワイヤーで描く小さな庭」の本に出合い感動したと。
今年から韓国でワイヤーを使った作品の製作活動をスタートするにあたり、
はじめは作品が少し似てしまうかもしれないので了承してほしいと、
とても丁寧な文面で綴られています。
この様な内容で事前にひと声掛けてくださるところは、
さすが、美術大学で学ぶ方だけあって、
ものづくりに対する意識の高さを感じます。
最近では、多くの方が結束線でワイヤークラフトをされています。
私も、TVや雑誌で作品を提案させていただいたり、
ワークショップや教室を開催したり…
沢山の方に興味を持っていただけることはとても嬉しい事です。
ただ、ワイヤークラフトは誰でも手軽に始められるので、
何も意識をせずに模倣した作品やアイデアを真似た作品で
対価を得ている方がいることには複雑な思いでいます。
よく話題になる中国の模倣の話では、
色が違えばオリジナル。形が少し違えばオリジナル。
ふたつの作品をひとつに組み合わせればオリジナル。
モラルとかプライドという言葉はないのでしょうか?
といつも感じています。
デザインの仕事をしている夫からいつも言われる事は、
例え自分が考えていたアイデアであったとしても、
同じ様な作品を他の人が先に発表していたら、
それを敢えてやめる事が作家としてのプライド。
結束線での作品づくりは、
モチーフが同じだったりする事で似てしまいますが、
それは仕方のない事だと思っています。
しかし、その中には作り手の感性が入り、
その作り手にしか表現出来ない佇まいがあります。
形やモチーフは真似出来ても、生まれ持った感性やセンス、
ひらめきといったものは真似できないものだと思っています。
日本と韓国。それぞれの地でそれぞれの感性を表現していきましょう。
李さん頑張って!